6月22日、日本棋院において「囲碁殿堂表彰委員会」が開催され、第9回囲碁殿堂入りとして、安井算哲(渋川春海)、陳毅が選ばれました。
有識者、棋士からなる出席委員7名により、事前にノミネートされた候補者の中から投票により選出されました。
囲碁殿堂入りを果たした安井算哲(渋川春海)、陳毅に対しては、顕彰レリーフを制作し、来春1月5日の打ち初め式で披露後、日本棋院会館地下一階の「囲碁殿堂資料館」にて展示を行う予定です。
1. 囲碁殿堂入り決定者の経歴と主な業績
安井算哲(渋川春海) 1639(寛永16)年 ― 1715(正徳5)年 |
経歴 |
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囲碁四家の一つ、安井家の一世算哲の子として京都に生まれる |
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17歳で御城碁に初出仕。1684(天和3)年まで17局を勤めた |
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1690(寛文10)年の御城碁で本因坊道策に対し第一着を天元に打つ。しかし負けてしまいそれ以降は天元に打つのを止める |
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日本初の国産歴(貞享暦)を編纂し評価され天文方に任命 |
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主な業績 |
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江戸初期を代表する棋士であり、天文暦学者としても著名 |
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碁盤を天文に見立て、初手はその大極である天元に置くのがふさわしいとの判断をしたことで知られる |
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「今で言うとノーベル賞級の学者がトップクラスの棋士を勤めているようなもの」と評価されている |
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陳 毅(ちんき、チェン・イー) 1901年 ― 1972年 |
経歴 |
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中国の政治家、軍人、外交官。中国共産党の十大元帥の一人。外交部長(外務大臣)などを務めた |
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囲碁の普及教育活動に取り組まれ、その中心人物となり、1962年に中国囲棋協会が設立された際、名誉主席に就く |
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日中囲碁文化発展の功績により1963年日本棋院と関西棋院から名誉七段が贈られた |
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主な業績 |
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日本との国交正常化のために、囲碁を基にした文化交流を試みる。1960年、公式に「訪中棋士団」(団長瀬越憲作)を受け入れる |
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その後も毎年日本からの訪中団を受け入れ、杉内雅男、宮本直毅、梶原武雄らが訪中し、「日中囲碁交流」が行われた |
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2. 今回のノミネート者
安井算哲、井上(幻庵)因碩、大久保利通、喜多文子、雁金準一、川端康成、陳毅、橋本宇太郎
3. 過去の殿堂入り
第1回特別創設記念表彰 |
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徳川家康、本因坊算砂、本因坊道策、本因坊秀策 |
第2回特別創設記念表彰 |
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本因坊丈和 |
第3回表彰 |
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本因坊秀和、大倉喜七郎 |
第4回表彰 |
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本因坊秀甫 |
第5回表彰 |
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本因坊秀栄、本因坊秀哉 |
第6回表彰 |
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瀬越憲作 |
第7回表彰 |
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木谷実 |
第8回表彰 |
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岩本薫 |
【 この件に関する問い合わせ 】
日本棋院囲碁殿堂資料館 : 03-3288-8601