開催地の大会運営者ティム・シュテーガーの報告 |
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今年のハンス・ピーチ・メモリアルは9月23日から24日まで、夏の終わりのすばらしい天気のもと、タウヌス山地のオーバーウルゼル・ギムナジウムを会場に開催され、3人一組で構成される31チームの生徒たちと、その引率者たちが参加しました。
会場となった学校の管理者との交渉は難航しましたが、長いやりとりのすえ、全部で12のきれいな教室と、ロビー、丸屋根の講堂(開会式と閉会式に使われた)、新しい食堂、体育館(約70人の生徒の宿泊所になった)を使用させてもらうことができました。
大会前日の金曜の夕方には早くも約25人の参加者が到着し、パンが出されました。食事の手配は、クリスチアン・シューベルトがきりもりし、参加者たちは皆大変満足しました。
開会式には、生徒と引率者のほか、運営者たちと来賓の方々もそろいました。来賓の方々は、ハンスのお母さんのピーチ夫人、小林千寿五段とヨン・ユンスン五段(韓国)の二人のプロ棋士、オーバーウルゼル・ギムナジウムの校長ケーラー氏、フランクフルト日本総領事館副領事の桐生氏、オーバーウルゼル市長のハンス・ゲオルク・ブルム氏、ならびにドイツ囲碁連盟の会長ベルンハルト・クラフトです。
主催者であるgo4schoolの代表のハラルト・クロルとカーレン・ショムベルクも出席しました。続いて1回戦が始まりました。初めて外国から招かれたルクセンブルクのミシェル・ロダンジュ・リセ・チームは、最後まで優勝争いにからみました。これを契機に、大会名から「ドイツ」という言葉をはずして、単に「学校対抗囲碁団体戦」と名づけるべきかどうかとか、今後も外国のチームを招くべきかといった議論がなされました。
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優勝チームとピーチ賞を決める大会と並行して、いくつものイベントが開かれました。樽見ゆうこさんによる折り紙ワークショップ、リュウ・ペイさんとチェ・ワンさんによる書道教室が開かれ、プロ棋士の方々には対局の手直しと多面打ちをしていただきました。カリ・バルドゥィンとホルスト・ティムは20級以下の初心者教室を開きました。桐生氏は、「マンガとアニメと外交」についての楽しい講演をして、大いに関心をひきました。地元紙も来ていて、興味深げに囲碁というゲームや大会について取材していました。 |
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夕食の後にはヴィースバーデンのチームが人形劇「ゴメオとゴリエット」を上演しました。シェイクスピアの名作劇をアレンジして、ドイツの囲碁ファンならよく知っている囲碁マンガ家フェッケ氏のマンガに出てくる碁石キャラクターを登場させた楽しいものでした。 |
続いて大多面打ち大会があり、29人の生徒たちを相手に、プロ五段から2級までの大人がのべ約15人で入れ替わり立ち替わり打ちました。結果は、激しい戦いの末、19対10で大人チームの勝ちになりました。この結果はきっと若者たちのプライドに火をつけ、来年は大人たちは手ひどいリベンジを受けるにちがいないでしょう・・・
日曜は8時にもう朝食の時間だったのですが、早番の係によると、前日遅くまで起きていた子が多かったせいか、混雑のピークが少し遅れ気味になったようです。
5回戦の熾烈な戦いの末に、今年の優勝チームが決まりました。ベルリンのビューリング高校です。心からおめでとう。各賞授与(賞はいろいろと用意されていました)のあと、皆はお互い帰路の無事を祈りあい、晴れやかな気分で、来年ハンブルクで開かれるハンス・ピーチ・メモリアルが今回のような和気あいあいとした雰囲気で行われることを願いました。片づけの作業も段取りよくすみやかに行われました。若い人たちの協力もあり、大会が円滑に進行し、成功をおさめたことは、大変気持ちの良い印象を残しました。 |
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