メイン | 2007年07月 »

2007年06月 アーカイブ

2007年06月13日

文化庁文化交流使としての囲碁普及・ウイーン

PHOTO
 ▲由緒ある時計
(以下すべてウィーン市内風景)
 ▲テレビ取材
 ▲ニューイヤーコンサートでおなじみの楽友協会
▲親子で入門
▲若手プレイヤー達
2007年3月より文化庁から『文化庁文化交流使』(英語のタイトルSpecial Advisor for Cultural Exchange)の指名を受けて、オーストリアのウィーンを拠点に欧州の囲碁普及の真最中です。   

まず最初に拠点がウィーンになった理由をお伝えしましょう。 この10年間フランス・パリとフランス語圏のスイス・ジュネーブを拠点に囲碁普及をしてきました。ちょうど良い波に乗ったようで、フランス、ジュネーブ界隈では『碁熱』がかなり広がりました。  

その熱が、そろそろドイツ語圏にも波及するころかと思い、昨年辺りから、ドイツ、オーストリアの囲碁事情を調べておりました。

ドイツでは、昨年から韓国の女流棋士が移り住み本格的な囲碁指導を始めていました。 そしてウィーンでは、若手の囲碁普及を2年前から本格的に始めていたのですが、指導者がいなくて困っている状況でした。それと、今年の欧州囲碁選手権戦はオーストリアの南の古都フィラッハです。   

その状況に文化庁からの『文化交流使』の指名が重なったのです。 二つ返事でこの役を受けさせて頂きました。 オーストリア囲碁協会の『1日も早く来て欲しい』の意向に添うように、2月半ばにジュネーブの家を引き払い、一度、東京に帰り3月にウィーンに入りました。   

かなり厳しい日程でウィーンに入ったのですが、オーストリア囲碁協会の方々の嬉しい顔、若手プレイヤーの熱心な様子に私の旅の疲れも癒されました。   

囲碁指導の為のプロジェクトの話し合い、欧州選手権戦の為の話し合い。 役員との信頼関係を築き、プレイヤー達の棋力を知り、囲碁クラブの状況を把握し、そしてウィーンの街を電車、地下鉄で自由自在に動き回れるようになるまでには、2、3ヶ月の月日が必要でした。  
 
その間、ドイツ、スイス、スコットランド、オーストリア国内のほかの都市にも出かけて行きましたので、ここまでは、本当に忙しい日々でした。   

それと、海外生活に慣れている私とは言え、新しい国で新しい住まいを探し落ち着くまでには、かなりの時間とエネルギーが必要なものです。    

ウィーンで開催された16年前の欧州選手権戦を初め、個人的に何回も訪れていたウィーンですが、いざ暮らすとなると、全く違う街になりました。   

古都・ウィーンを訪れる日本人観光客は年間50万人と聞きます。   

世界を制覇したハプスブルグ家の歴史的建物の多くは町の中心にあるので、観光客もそこに集中します。   

趣のある街中を馬車が観光客を乗せて闊歩しています。 そしてウィーンと言えば、音楽にウィーンナーワルツ!   

長い文化の歴史を誇るウィーン人に日本の文化の一つとして碁を紹介し、教えるのが、今回の私のチャレンジです。

またウィーンは国連もある国際都市で東欧の入り口でもあります。 大きなチャレンジをしていることに日々気づかされています。


2007年06月16日

大使館の広報センターの囲碁教室&第51回欧州選手権戦

PHOTO
 ▼写真は全てウィーン広報センター(大使館内)の囲碁講座
今回の普及は文化庁の指名の元で活動できる為、欧州の大使館、総領事館の協力を得られます。  

今までにフランスパリのパリ日本文化会館で毎週土曜日午後の囲碁講座、スイスジュネーブでは総領事館で毎週月曜日夜の囲碁講座を興してきました。

日本と違い、碁会所がない欧米で、初心者、女性、子供が碁を学べる場所がない為に、日本文化の窓口である大使館・総領事館のパブリックスペースを利用させて頂いています。  

ウィーンでも早速その囲碁講座開設となりました。

大使館のサイトを見て集まった人だけで定員40名が毎週一杯になる大盛況ぶりです。毎回、来る人は少しずつ入れ替わるのですが回を重ねる度に若い青少年が増えてきているようです。  

こちらでは6月末が学校の年度末です。どこの講座も6月末で終了になります。年度の初めは9月初めですが、この様子だと『子供教室』開催も可能になってきました。嬉しい限りです。  

この講座を初め他のすべての囲碁普及、活動はオーストリア囲碁協会の全面的な協力を得ています。  

盤石の提供、移動、インストラクターなど。

今まで色々な国で囲碁普及をしてきましたが、これほどチームワークがよい囲碁協会を見たことがありません。

一つには7月14日?28日に開催される、第51回欧州選手権戦がオーストリアの南の古都フィラッハで開催される為、役員を初め多くのプレイヤー達がボランティアでフル回転しているときだという事情もあります。  

予想では過去最高の1000名に達する、欧米で一番大きな大会になりそうです。日本からもすでに70名を超える申し込みがきています。  

大会は1日だけの参加からウィークエンドトーナメントなど様々な参加が可能です。  

今からでも、まだまだ申し込めますので、ぜひ皆さんもウイーン、ザルツブルグ、東欧の旅行なども兼ねて『世界の囲碁の祭典』に参加してください。  欧州選手権戦の会場でお会いできることを楽しみにしてます!  

(申し込み方法 http://www.goverband.at/egc2007/)  


About 2007年06月

2007年06月にブログ「小林千寿の欧州囲碁普及レポート」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

次のアーカイブは2007年07月です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。