囲碁の歴史02 | 日本への伝来 |
日本(にほん)の時代(じだい)の移(うつ)り変(か)わり | |||||||||
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● | 囲碁(いご)が日本(にほん)に渡(わた)ってきたのは、いつごろか? これもはっきり分(わ)かっていません。 |
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● | 607年、推古天皇(すいこてんのう)の時代(じだい)に遣隋使(けんずいし)の派遣(はけん)で、聖徳太子(しょうとくたいし)は「日の出るところの天子(てんし)から日が沈(しず)むところの天子へ」と書(か)いた手紙(てがみ)を持(も)たせました。 その手紙を見た隋(ずい)の皇帝(こうてい)は怒(おこ)って「無礼(ぶれい)な手紙だ。日本(=倭)がまた何(なに)を言(い)ってきても二度(にど)と私(わたし)の耳(みみ)に入(い)れるな」と言いましたが、翌年(よくねん)、文林郎裴世清(ぶんりんろうはいせいせい)を隋の使いとして日本に送(おく)っています。 608年、隋の国の裴世清(はいせいせい)という人は、日本に来(き)ていろいろなことを調(しら)べ、体験(たいけん)したことを記録(きろく)しました。(=隋書・倭国伝) その中には日本人(にほんじん)は囲碁(いご)を好(このむ)むことが書(か)かれています。 |
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遣隋使の船(けんずいしのふね) | 聖徳太子(しょうとくたいし) | |
● | 奈良時代(ならじだい)に吉備真備(きびのまきび)が遣唐使(けんとうし)として唐(とう)から持ち帰(かえ)ったという話がありますが、それ以前(いぜん)から日本には囲碁はありました。 記録(きろく)は残(のこ)っていないのですが、五世紀(ごせいき)ころ朝鮮(ちょうせん)を通(とお)してほかのいろいろなものといっしょに、渡(わた)ってきたという説(せつ)が有力(ゆうりょく)とされています。 |
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● | 701年、大宝律令(たいほうりつりょう)が定(さだ)められました。 これは隋(ずい)や唐(とう)のような強大(きょうだい)な国(くに)づくりをめざし、政治(せいじ)、学校(がっこう)、土地(とち)、身分(みぶん)などを取(と)り決(き)めた法律(ほうりつ)ですが、その中(なか)の僧尼令(そうにりょう)にスゴロクやバクチは禁止(きんし)するが、碁琴(ごきん)は禁止(きんし)しないという法律(ほうりつ)が決められました。 碁琴の碁は、もちろん囲碁(いご)のことです。 |
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聖武天皇(しょうむてんのう) | 正倉院(しょうそういん) | |
● | 奈良(なら)の東大寺大仏殿(とうだいじだいぶつでん)の北西(ほくせい)にある正倉院(しょうそういん)には、聖武天皇(しょうむてんのう)(701-756)の遺品(いひん)や当時(とうじ)の記録(きろく)・品物(しなもの)が多(おお)くおさめられていますが、中に碁盤(ごばん)や碁石(ごいし)も保存(ほぞん)されています。 碁盤(ごばん)は3面(めん)、碁石(ごいし)は4種類(しゅるい)が保存(ほぞん)されていています。碁盤は3面のうち、「木画紫檀棊局」(もくがしたんのききょく)が有名(ゆうめい)です。 |
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「木画紫檀棊局」(もくがしたんのききょく)(正倉院宝物) | ||
● | 平安時代(へいあんじだい)、醍醐天皇(だいごてんのう)は囲碁が好(す)きで、当時(とうじ)の一番(いちばん)の名手(めいしゅ)、寛蓮上人(かんれんしょうにん)とよく囲碁をしました。 金(きん)の枕(まくら)を賭(か)けた話が伝(つた)えられています。 |
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● | 囲碁にあまりにも夢中(むちゅう)になりすぎて挨拶(あいさつ)にきた来客(らいきゃく)を無視(むし)したため戦争(せんそう)の原因(げんいん)となったこともありました。 (=後三年の役) |
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● | 当時の文学(ぶんがく)として、紀貫之(きのつらゆき)らがまとめた「古今和歌集(こきんわかしゅう)」、紫式部(むらさきしきぶ)の「源氏物語(げんじものがたり)」、清少納言(せいしょうなごん)の随筆(ずいひつ)「枕草子(まくらのそうし)」などに囲碁が登場(とうじょう)します。 宮廷(きゅうてい)を中心(ちゅうしん)にした貴族社会(きぞくしゃかい)では囲碁を非常(ひじょう)に好(この)んだことがわかります。 囲碁は僧侶(そうりょ)や、貴族(きぞく)、宮廷の女性(じょせい)たちだけでなく、さらには、武士(ぶし)たちにも広(ひろ)まっていきました。 |
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紫式部(むらさきしきぶ) | 源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき) |
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