イタリアン


大会会場

 今私はジングルベルを聞きながらこの原稿を書いています。
話題に少々時差がありますがどうかご勘弁を。
 12月、私の活動収めはミラノで開かれたMSO(マインドスポーツオリンピア)でのイタリアン囲碁チャンピオン戦でした。MSOは頭脳ゲームを一同に集めた協会で、ロンドンに本部を置き世界各地を舞台に大会やイベントを開催しています。ミラノでは今年が初めて、50種程の協会が集合4日間にかけて開かれ2万人の人出がありました。
 実は今回”アマの気力向上の為に”とイタリア囲碁協会から打診があり、こちらに来て4年目にして初めてアマの大会に選手として参加したんですよ。つまり互い先、白番ですがコミも普通に頂いて。
そして指導料を頂ました。

 大会参加者は3日間で60人程7局対戦、各?時間半に秒読み付なのでかなりゆったりしています。
 指導碁とは違って、こうなると相手関係なく真剣になるものです。久しぶりで思いっきり打て気持ち良い反面、正直日本でのプロ対局が懐かしくなりましたよ。感慨深い経験でした。
 優勝は私、不思議な気分でどでかいトロフィーを頂ました。この大会成績を基に上位イタリア人2名で後日5番勝負を行い、3勝した者が晴れてイタリアンチャンピィオンに輝きます。
 手前味噌で恐縮ですが、2位パウロとの対局棋譜です。
彼は昨年の世界アマイタリア代表で、最近腕を上げてきている注目選手です。
パウロ氏との対局

 この時期よく目にするのは、食生活やダイエット関係のニュース。どうしてかって?
 イタリアはクリスマスから1/6エピィファニアの祝日までが日本で言うところの幕の内にあたり、その間は家族や親戚、友達が集まってのパチィー続き。早い話がとにかく食べて食べて食べまくる、恐怖の2週間。でもそれより怖いのはその後、増えた体重!でしょう?

 皆さんご存じのように正式なイタリア料理は量が多く、前菜から始まってプリモ(普通の日本人はこの辺でアウトでは?)メインのセコンド、デザートに食後酒が出てようやくコーヒー、、、と、かなりの長期戦でまともに食べたら3時間では足りません。  
 さすがのイタリア人でも特別な行事以外はフルには注文せず、前菜、プリモ、セコンドの3つの中から2つを選ぶのが一般的です。

 この時期ミラノでは欠かせないお菓子にパネトーネがあります。最近では日本でも見かけるようになったとか?フワフワした山形のパン(パーネ)ケーキです。
 日本は大晦日の夜は除夜の鐘に年越し蕎麦ですが、ミラノではこのパネトーネとスプマンテ(白ワインの発泡酒)で乾杯し、その場に居合わせた人全員とほっぺたキスを交すのが習慣です。

 そうそうこちらでは初めの挨拶、別れの時とほっぺたにキスをしますよね、これがどうも照れ臭くて最初は参りました。
 マジ〜ッと見る訳にはいきませんので横目でチラッ、と学習した限りにはやはりやり方があって、キスと言っても実際は頬を合わせるだけ。で、どうも口でチュッと音を立てるだけのようです。(もちろん時には濃厚な方々もいらっしゃいますが。)

 右左の順で2度するのが一般的なイタリア式。国によっては3回だったり、また右左の順序が違う所もあり、うっかりすると大変危険です。なぜって?ふふふ、想像して見て下さい!?
 今ではすっかり気に入って、はまってしまいました。時たま私が日本人だから、と気を遣いしてくれない失礼な人?がいると、ムッとしますもの!

 これとイタリア語の『乾杯』が抵抗なく言えるようになるのに一年はかかりました、今では随分慣れたものです。
(ちなみにイタリア語で乾杯は”チンチン”と言います。)
 暮れから蓄えたエネルギーで、1月は常夏のキューバで囲碁指導。ダンナ?寒い寒いミラノでお留守番です!
 それでは。