ピザ


 カソリックの本山バチカン市国を抱えるイタリアはキリスト生誕2千年の今年、ローマに限らず国中何処へ行っても、巡礼の人々や観光客で込み合っています。

 何しろ95%以上がカソリック教徒のこの国です。宗教の事などさっぱり分からない私ですが、不思議な事はいろいろと目につきます。

例えばこちらの小学校ではカソリックの時間が正規授業であったり、教徒は通常の場合離婚が出来ないとか(そのせいか同棲率のすこぶる高いイタリアです)毎週日曜日の午前中はどのTVチャンネルをひねってもミサ中継だし、、。

宗教が生活の中の多きな一部を占めているようです。
 
新海先生が若手2人相手に指導碁、先生の左側が囲碁協会会長、岡さんです。

 さて。この秋、初めて斜塔で有名なピザへ大会に伴い囲碁指導に行ってきました。偶然にも日本から新海洋子5段が遊びに来て下さったので、ご一緒して頂きました。

せっかくプライベートにいらしたにも関わらず、こちらの予定に引きずり込んだ感じでちょっと気が引けたのはさて置き、素敵な先輩との囲碁旅行はとても嬉しいものでした。
トスカーナの風景

 イタリアは20の州に区分され行政が行われており、又その州によって風土、言葉、食生活等なども独特です。ピザの位置するトスカーナ州は小麦やオリーブ、葡萄畑が豊かに広がる丘陵地帯。キャンテイワインの原産地、と言えば皆さんお馴染みでしょう。

ミラノからピザまで、車で3時間半くらいでしょうか。

以前、紹介したイタリア囲碁協会会長、岡さんの手厚い案内で私たちは馳せ参じました。
ピザ囲碁クラブはアルノ河沿いあります。


 ピザ碁クラブは、昨年スタートしたばかりの出来たてホヤホヤなクラブです。

2、3人の大学生仲間で取り入れられたのをきっかけにして、あっと言う間に30人程にメンバーが増えました。殆どが大学生、20代前半の若者が中心のフレッシュなクラブです。

現在は毎週火曜日の夜、市内中心を流れるアルノ河沿いのカフェに碁仲間が集まっています。今回の大会もそのカフェで、20人程が参加者して開かれました。

一番強い人で8級、日本で言えば3、4級程度でしょうか。今まで囲碁盤石は元より何の知識も無かった土地です、一年でこれだけ基盤が出来たとは大したものでしょう。

 彼等が始めた当初、まずインターネットでルール等覚え、囲碁協会を探し出して教材を入手し、仲間に伝え教え、クラブ会場を探す、囲碁が社会に溶け込んでいる日本では想像も付かない努力ですが、海外ではごく普通な話です。

 それでも昨今ではインターネットの普及により情報流通は大きく広がり、ヨーロッパ製盤石が手軽に購入出来る時代になりました。囲碁状況は急速に進歩、変化していると思います。

 長いことイタリア囲碁の中心はミラノだったのですが、1、2年前よりここピザをはじめとし新しい地域で碁クラブやファンが芽生えています。
フィレンチェ、ボローニャ、南イタリアのナポリ、バリ、サルヂィーニャ島、等など。

 囲碁ファンの皆様、お買い物&グルメなイタリア旅行だけでなく、是非囲碁もプラスして見ては如何でしょうか?
そうそう、初めて見たピザの斜塔には大感激でした。
大会前日に開いた多面打指導碁会

大会風景

”塔がちょっと傾いただけ”と鼻で笑っていたのですが、とんでもない!全体の荘厳さ、神秘性、歴史の重み等を感じざるを得ません。全く百聞は一見にしかずですね、反省。
地元の人の話によれば、補修工事の為この10年余り登れなくなっていた斜塔も、来年あたりから再び登れるようになるとか。
なんせイタリア人の噂話は眉唾ものですが、それでも密かに楽しみにしています。
ピザの斜塔