保護者の方へ ご一読いただければ、幸いです 日本棋院 |
ジュニア囲碁クラブへようこそ | ||
ジュニア囲碁クラブへお越しいただき、ありがとうございます。 | ||
小学校低学年のお子様でも楽しめるように、漢字にはフリガナをつけ、アニメを多く使用いたしました。 | ||
お子様と保護者が一緒になってご覧いただければ、さらに小さいお子様でも理解できると思います。 | ||
皆様でお気軽にお楽しみくださいませ。 | ||
入門指導方法について | ||
囲碁の入門指導方法は、いろいろあります。 「石を取る」「キリとツナギ」など囲碁の要素部分から教えるやり方、「地を囲う」など囲碁全体・終盤から教える方法等講師によっても異なります。 |
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また大人と子供、さらには子供の年齢差・個性によっても指導方法に配慮・工夫が必要となるでしょう。 | ||
でも、入門指導で一番大切なことは「いかに興味をもたせるか」「いかに興味を継続させるか」ではないでしょうか。 | ||
この入門教室のコーナーでは、興味を持たせることに主眼をおき「石取りゲーム」からをスタートとしました。 | ||
極力囲碁専門用語を使うのをやめました。(入門その後から覚えても十分です。) | ||
また、安田泰敏九段にも協力をいただき、子供が理解しやすい囲碁ルール説明へと工夫をしてみました。 | ||
参考例【1】 「石の呼吸点」は「見えない手」と表現しました。あとの囲碁ルール説明がわかりやすくなるからです。 | ||
参考例【2】 「着手禁止」の打ってはいけないところは、「落とし穴」と表現しました。ただ打ってはいけないという説明でなく、打っても無意味で石は生きられないことを実感するためです。 | ||
この参考例のような通常テキストには無い、囲碁ルール説明の表現がいくつか出てきますが、子供に興味をもたせ理解度を増すためと予めご承知いただければ幸いです。 | ||
子供たちは、石を取るのが大好きです。大人も子供もみなさんで楽しんでいただければ幸いです。 | ||
入門教室コーナーについて | 一度に全部を見させないで! | |
この入門教室コーナーでは、石取りゲームを楽しむだけでなく、次のステップ「地を囲う」の一歩手前までの初級・中級の説明が含まれておりますので、最初から一度に覚えさせるのは好ましくありません。 | ||
最初の「石の置き方」と簡単な「アタリ」のページを見たら、「石取りゲームマシーン」をダウンロードして、すぐゲームであそびましょう。全ページを無理に読ませることより、興味を持たせることが第一ですから。 | ||
教え込まない | ||
まず、念頭におくことは「教え込まない」ことです。教え過ぎはよくありません。 | ||
教える側からすれば自分の持っている知識はすべて与えたい、早く成長して欲しいと願うのは当然のことですが、口出しをし過ぎるとせっかくの芽をつぶしてしまいます。 | ||
知識を押しつけたり、手とり足とり教えていると、人の顔色を見い見い打つようになり、そのうち嫌になって離れていってしまいます。 | ||
「一つ教えると一つ興味を失う」と言った囲碁教師がいます。まさしく的を得た言葉で、教える側はじっと辛抱、我慢が必要です。 | ||
自分で発見していく | ||
入門の最初は誰だって、よくわからないし間違えるものです。 | ||
よくあることですが、入門の子供がアタリになっているのに気づかず打っているのを見て、すぐ教えて解説をはじめたり、囲碁はどこに打ってもいいと言っておきながら一線に打つと、とがめるような指導は好ましくありません。 | ||
すぐに教えるのではなく、「子供自身に気づかせる、発見させる」指導が大事です。 | ||
例えば、幼児に「○○ちゃん、蟻がいっぱいいるよ、蟻の巣があるよ」と教えるより、なんとか地面を見るよう工夫・誘導して、子供の方から「うわあー、アリがいっぱいいるよ」と気づかせ導くことです。 | ||
ヘンな手を打ったとしても、アタリに気づかなくても、自由に打たせてあげましょう。 | ||
夢中になって相手の石を追いかけまわしていた子供も、慣れるにしたがって自分の石を取られないように逃げる方法にふっと、気づくようになります。 | ||
この「自分で発見していく」ということが子供たちには大変な喜びで、ますます意欲を引きだすことになります。 | ||
囲碁の効能 | ||
囲碁は頭脳ゲームとして集中力が身につき、発想が豊かになると言われています。 | ||
人間の脳は通常、左脳で計算・暗記・論理的思考機能を受持ち、右脳は感覚的・形や空間等の認識、大局的視野での判断力を受持つと言われ、医学的にも囲碁は右脳を刺激し、判断力を高め、ストレス解消に効果があることは既に認められています。 さらには、ボケ防止・脳卒中のリハビリ、予防面でも注目されています。 |
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しかし、効能はそれだけではありません。囲碁は子供からお年寄りまで誰でも生涯楽しめるので、現代社会で希薄になりつつある家族・師弟・先輩等との年代を越えたコミュニケーションに大変役に立ちます。年齢、性別を問わず、国境も関係無く誰でも楽しめる囲碁は本当に素晴らしいものなのです。 | ||
なんで子供に囲碁なの | ||
盤上の交点ならどこに打ってもよい自由なルールで「かたち」を創り上げていくのが囲碁です。 破壊・征服を目的とした他のゲームには無い創造性があります。 |
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普段は落着きがなく、あきっぽい性格だと思われた子供が、突然何かに興味を持ち始め、急に熱中することがあります。これは成長過程での出来事ですが、興味を持つという「きっかけ」があると子供は感心するほどの集中力を発揮します。囲碁はおおいに「集中力を養う」練習になります。 | ||
囲碁が少し出来るようになると、相手との対戦で勝ち負けが生じます。 囲碁は自分の考えで打ち、勝ち負けは自分の責任で自己評価しなければなりません。この勝ち負けによる喜び、悲しみの葛藤が子供たちを大きく成長させます。 いつも一等賞だと思ってきた子供には辛いことですが、「生きる力を養う」チャンスでもあります。 |
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また、囲碁の効能である「バランス感覚を養う」ことで子供が物事の価値判断をする練習にもなります。 | ||
そして、何より大事なのは、囲碁で子供同士や年代を越えた人と接することによって「人を思いやる気持ち」「感謝の心」が芽生えてくることです。 | ||
囲碁を通じて、いろいろな事を自分の力で学びとることが出来る子供に! 人と人との心の輪をつなぎ広げ、思いやりの気持ちを持った子供に! 心身の調和のとれた人間になって欲しいと願っています。 |
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お読みいただきありがとうございました。(Owa) |