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囲碁ってむずかしい、暗い、あるいは頭のいい人だけのゲームなんて思っていませんか?
とんでもない。囲碁ほど簡単で親しみやすいゲームはないのです。

それでは囲碁早わかり、Let's Go!

囲碁は陣取りゲーム 地の多い方が勝ち 四ツ目殺しって何?
アタリに注意! 打ってはいけない手 石の「生き死に」
コウって面白い さあ打ちましょう 囲碁入門のお問い合わせは

● 囲碁は陣取りゲーム
 さあ1図がこれから皆さんを囲碁の世界に招待する碁盤です。
 縦横9路×9路あります。
 実は ” 本モノ ” の碁盤は19路×19路もある広いものなのですが、最初からこれに挑戦するのは、宇宙を一人で旅行するようなもの。
 そこで1図の9路盤で足慣らししようというわけです。19路盤は、強くなったときの楽しみにとっておきましょう。
 まず皆さんに覚えていただくルールは次の二つです。

 一、線と線の交点に打つ。
 二、黒白交互に打つ。

1図
 もう一度1図をご覧ください。ここで1から6までの数字は、この順番で石を打ちましたよという意味です。黒が一手目を打ち、二手目は白、以下黒、白と交互に打つのがルールです。後はどこへでも(一部を除いて)好きな所に打ってください。他に制約はありません。碁は自由なゲームなのです。
 ところで囲碁はどうやって勝負をつけるのか?
 ひと口で言えば陣取りゲーム。陣地の多い方が勝ちなのです。

   なお陣地のことを地(じ)といいます。

● 地の多い方が勝ち
2図
 1図のように石を打っていって、たとえばこのようになったとしましょう。
 ここで下が黒の、上が白の陣地です。自分の石に囲まれている場所を陣地と解釈してください。
 それでは計算です。線と線の交点がいくつあるか数えましょう。黒の地は33。この黒地を33目(もく)と呼びます。同じ要領で白地は24目。
 9目の差で黒が勝ちました。この結果を「黒9目勝ち」と呼びます。

2図
3図
 地は一ヶ所だけとは限りません。さて、これはどちらの何目勝ちでしょうか?
 黒地三ヶ所の合計は8目。白地は2ヶ所で計7目。正解は黒1目勝ちでした。
 1目でも立派な勝ちなのですよ。

3図

● 四ツ目殺しって何?
 碁は陣取りゲームとお話ししましたが、「地」のことはしばらく頭の片隅に追いやって、もうひとつ 「 石は取られる 」 ということも覚えてください。

4図
 たとえばこの黒石一個。これは矢印の四つの地点にエネルギーを出しています。
 これを「呼吸点」と呼ぶことにします。

4図
5図
 たとえばいま中央、白1と打たれ、呼吸点を全部ふさがれたとしましょう。
 さて、黒の運命は?
 息するところをすべて埋められてしまった黒は、もう生きていけず、取られてしまうのです。
 ふつうの石の呼吸点は4つですが、上図のように盤端になると3つに、また右下のように端っこになると2つになります。

5図
6図
 これが悲惨な結果図です。せっかく打った石が取られ、あわれ黒石1個は白の捕虜に・・・。
 囲碁は石を取ることが目的ではありませんが、味方の兵隊が減るのは痛い。
 石はできるだけ取られないようにしましょう。
 これが石を取る基本ルールで、「四ツ目殺し」(よつめごろし)といいます。
 わかりやすいのでぜひ覚えてください。

6図

● アタリに注意!
7図
 図のように黒△がもう一手で取られる状態を「アタリ」と呼びます。
 では黒石を助けるにはどうすればいいか?  先まわりして黒1に打つのです。
 黒石がつながったのでアタリの状態を脱することができました。
 呼吸点が矢印の三つにふえたことに注目を!

7図
8図
 石が2個になっても油断は禁物。右図のようにさらに白に囲まれると白1で取られてしまいます。それが嫌なら黒が先に1と打てば脱出できます。
 取られる石は1個だけとは限りません。2個でも3個でもタテ、ヨコの呼吸点をふさがれれば取られてしまうのです。
 右図でその一例を示してみましたので参考に。

8図

● 打ってはいけない手
 囲碁はどこへ打ってもいい自由なゲームですが、一つ二つ打ってはならない手があります。
9図
 1の点に黒は打つことができません。この手、窓のない部屋に入ったようで、息苦しい感じがしませんか?
 つまり呼吸点をすべてふさがれた所へは打ってはいけないのです。

9図
10図
 ただし白からは1の点へ打つことができます。
 白1の石を取り囲んでいるのはすべて味方の石ばかりですから、これを息苦しくさせるわけがない。そう思ってください。
 前図との違い、わかっていただけましたか?
 入門の方がよく間違えるルールなので示してみました。

10図
11図
 黒1はタテ、ヨコすべてを白に囲まれた ” 呼吸できない石 ” 。
 これも打ってはいけない手か、というと、この場合そうではありません。
 黒1と打った瞬間に白石2個を取ることができる。
 つまり相手の石を取れるときに限り、禁じ手の場所へ打つことができるのです。
 少しなれれば、こんなルールとても簡単なんですよ。

11図

● 石の「生き死に」
 石は囲まれると取られてしまうとお話ししましたが、囲まれても取られない魔法のような形を紹介しましょう。
12図
 まわりを真っ黒に囲まれた白石13個。
 ところがこの白石、黒がどう手出ししても取ることができません。
 なぜでしょう?

12図
13図
 白を取ろうと黒1に打ったとしましょう。ところがこれはタテヨコ4つの呼吸点をふさがれた点。これは禁じ手で打てないのでしたね。
 黒1の瞬間、白を取れないこと( a があいている)に注目を。同じ理屈で黒1で a にも打てません。
 つまり黒から何も手出しできないということ。この白石を囲碁用語で 「 生き 」 と呼びます。
 碁は最終的に地の大小を競うゲームですが、そのためには働ける石が多い方が断然有利です。この 「 生き 」 さえ覚えてしまえば、もう入門は卒業したも同然。頑張ってマスターしてください。

13図
14図
 前図の ” 2DK ” は生きていましたが、さてこちらの ” 1LDK ” は生きているのでしょうか?

14図
15図
 結論からいうと、白は取られています。
 これを「生き」と対照して「死に」と呼びます。では、なぜ死になのか?
 たとえば黒1と打ったとしましょう。これは2の点があいているので禁じ手ではありませんね。
 次に黒2と打たれては全部取られてしまうので、白は2と取る。そこで・・・・・・。

15図
16図
 そこで黒3と打てば、そう白を取ることができるのです。黒は一個の石を犠牲にしただけで、こんなにたくさんの白石を取ることができました。
 これでおわかりでしょう。スペースは狭くとも ” 2DK ” あれば生きますが、 ” 1LDK ” では死んでしまうのです。
 やっぱり石も ” プライバシー ” を大切にするものなのですね。

16図
17図
 それではもうひとまわり広いこの白は黒1と打たれると、生きているでしょうか?
 この黒1を取ろうとして白から a に打つと、たちまち黒 b で全滅。つまり白からは手出しができないのです。
 相手が放っておくのなら取りにいけばいい。黒1の後、 a と打てば前図の形に戻り、白はやっぱり取られる運命なのでした。

17図

● コウって面白い
 さてルール説明もこれが最後。「コウ」という形をご覧いただきましょう。
18図
 四ツ目殺しを覚えたあなたなら喜んで黒1と白△を取るでしょう。
 ところがその瞬間、白が白△と黒1の石を取る手ができました。ところが相手に取られてすぐ取り返すこの手が反則になるのです。
 だって考えてみてください。双方が取り合っていたら際限がないですから・・・。
 この形を「コウ」と呼びます。

18図
19図
 ではどうするか?
 黒△と取られたとき白はすぐに取り返せませんが、白1と一呼吸置き黒が放っておいたら白3と取ることができます。
 もし黒△を取られたくなかったら白1に黒3と打てばいいのです。

19図

● さあ打ちましょう
20図
 いよいよお待ちかね、実戦編です。
 でもむずかしく考えることはありません。自由気ままに打ってみてください。
 これは皆さんの模範になるように初段同士の方に打ってもらったものです。
 雰囲気だけでも感じとってください。
 白10まで領地争いといったところ。

20図
21図
 これが終了場面です。右側の黒で囲まれた所が黒地、白で囲まれた所が白地です。
 計算してみましょう。黒地29目、白地22目。黒の7目勝ちとなったのでした。
 皆さんならもっと激しい碁になりそうですね。
 以上で講座は終わりです。

  あなたも立派な ” 碁打ち ” 。
 さあ怖がらないで試しに一局打ってみてください。楽しいですよ。

21図

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