ヨーロッパ・ゴ・コングレス(ダブリン)



 旅をするのも仕事の内、と言っても過言ではない今の生活ですが、今のところ大したトラブルもなく(置き引きで全財産を失った以外は)私はついてる、、、と自信がありました。ところがところが、そんな風に甘く見てると起きるんですねえ、事件が!

 アイルランドの首都、ダブリンで開かれる欧州囲碁コングレスに出かける、当日。この日に限って些細な事でダンナと口喧嘩をし、勢い余って一人電車で空港まで出かけるハメに。大体このあたりから嫌な運気が、、、。

着いてみれば出発時刻一時間前。慌ててチェックインカウンターに駆け込み、『窓際の席空いてますか?』
顔面から流れ落ちる汗も忘れて作り笑顔で尋ねれば、『ちょっとお待ち下さい、エコノミーが満席で、、、』
夏休み、イタリア→アイルランド便は若者向け短期英会話留学のため、異常に混み合うのが通年行事とか。それはともかくとして、要はオーバーブッキング。

 『あの〜ビジネス席に上げてもらえるんですか?』
欧州=日本便なら飛行時間かれこれ12時間、それだとありがた味も大きいけれど、ダブリンまでは2時間半。まっでも食事は全然違うだろうし、良しとするか、、。と、一人勝手に甘い想像に浸るのも束の間、冷や汗をかきかきカウンター嬢曰く、『そう言う問題じゃあ無くって、実は、、、』

なんと、完璧なるオーバーブッキングでビジネスクラスにしても、乗り継ぎ便の一人が万が一遅れて来ない限りには、満席との事。 
『とにかくチケットを出しますから、荷物を持って出発ゲートへ行って下さい。』

 万が一の可能性に掛け、言われたままに大荷物を引きずり普段通りパスポート審査を抜け、出発ゲートへ。
『あなた、なんでここに来たんですか!ウエイティングのカウンターへ行けって、言われたでしょう?』と、今度は今度でゲート係員のおばさんには怒られる始末。席が無いのはどうも私だけじゃなく、係員に喰ってかかる人達でゲート前は半ばパニック状態。ただでさえ声や身ぶり手ぶりの大きなイタリア人に、圧倒されておばさんもたじたじの様子です。

 もとはと言えば定員数以上のチケットを売った、あんた達が悪いんじゃないのお〜!と、私も心の中で怒ってみるものの、そこは日本人?冷静を装って、『誰かが犠牲になるものなのよ、仕方がないじゃない』などと、物わかり良さそうに言ってしまうのが情けない。

 さて、結局乗れなかった私はその後がまた大変でした。
空港内を一周して出国、事故処理カウンターに廻されればそこも長蛇の列。事情を聞かされるのも楽じゃありません。
待つ事一時間、ようやく6時間後の次のダブリン行きのチケットを再発行してもらった時には、すでに旅を終えたような疲労感が、、、。

その間、航空会社からは無料昼食券を支給されたのみ、全く踏んだり蹴ったりでした。
後日分かった事ですが、こうした場合は迷惑料?としてお金が貰えるそうですね。気付いたのが遅すぎですが、もっともこんな事態が起きないのがベストでしょう。

Tournament:大会会場

 私にとっては2年ぶり、5回目のコングレス。島国ゆえのマイナス条件があったにせよ、メイン大会で320人参加は立派でした。
物価高のアイルランドに加え、交通費も嵩むので例年になく費用がかかった今年です。

顔ぶれも西側諸国や日本人で8割りを占め、子供や家族連れ、学生の参加が少なかったのはちょっと残念でした。その分、落ち着いたイベントであったとも思いますが。
年ごと場所ごと、いろいろ個性があって良いでしょう。

 来年はクロアチアの首都ザグレブが舞台の欧州囲碁コングレス、予想参加者は600人〜千人だとか!?一体どうなる事やら、これまた楽しみです。
Big board:主催者のJohn Gibsonは建築デザイナー。彼の発案で2年前ダブリン郊外にある日本庭園の受付床に作られた碁盤。今回初めてプロプロペア碁対局で使用しました。
石はプラスチックの白黒お椀を2つ重ね併せて作ったUFO型。こうしてみるとボーリングみたいですね!

(写真左)garden:日本大使館に参加者全員が招かれてのレセプション。庭で西條先生を囲んでの一時。
(写真右)saijyo:西條先生による級位者のための囲碁講座。

yuki:子供大会と平行して指導碁を。
オランダから来た子供たちです。たくさん石を置かれて参りました。