イタリアの男性


 

 皆さんこんにちは!ミラノはすっかり秋めいて、街角ではこの季節名物の焼栗屋さんが目立つようになりました。

 さて。毎月囲碁の話ばかりでは書く方も飽きるし、読んでいる皆さんは尚更の事でしょう。と、言う訳で今月は皆さんが最も興味あるであろう話題?イタリア人男性について書きたいと思いましす。

 『イタリア男性はなんせ口説くのがうまい。スリと男には要注意』と、日本を発つ前10人中10人から耳にタコができる程言われ、ミラノに乗り込んだ私です、が、、、。

 実際私自身が『ん?これは口説かれている』と感じた事はこの3年半で2回、それも最初の2年くらいはゼロ。その間置き引き一回、スリは未遂を含め4回も遭ったのに。

 正直言ってショックですよ。だっていかにも女性であるだけで危ないんだ、みたいに言われて気合いを入れて来たのに、何もないって事は魅力がないどころか女性として見てもらっていない、って事じゃありません?
 そこで自分なりに原因を考えて見ました。

 1、家と囲碁クラブの往復以外に出歩かないのでチャンスがない。

 2、イタリア語が分からないので、口説かれている事が分からない。

 3、身持ちの堅い女性、と思われ口説く対象から外されている。ナンパする方も人を選んで時間と労力の節約?

 この中で2番目の線は無いと思いますね。いくら言葉が分からなくたって、こうした話は通じるものですもの、そう思いません?        

 実は3番目の理由は非常に気に入ってます。どっかに隙があるからそこを狙われる、これだと口説かれないのは良い事で、自分の立場を正当化出来ます。

 1番目、う〜んこれは結構関係あると思っていたのですが?、。それを打ち砕く事件が最近あったんですよ。  ある日、切手を買いに近所の煙草屋さん目指し、楽しく自転車に乗ってた時の事です。

擦れ違った車の運転手と瞬間、目があったのですよ。で、何となくイヤ〜な予感がしたんで、目的の煙草屋さんまでダッシュで飛び込んだんです。

そしたら車を置いたその男が店へ入って来るではありませんか!むむむ、これはヤバイと思い、買い物するフリして時間稼ぎ、男が煙草を買っている隙に自転車に飛び乗り一目散に家へ、、、。が、そこで又しても追いかけて来るこのしつこさ!何しろ車VS自転車ですから、勝負になりません。とうとう捕まってしまいました。

 髪振り乱し汗たらたらの私に、『君の瞳があんまり奇麗だったんで、つい話がしたくなって』げ〜ックサイ台詞!男はネクタイスーツに携帯電話、一見して中年ビジネスマン風で変な人には見えないのですが、全く好みではありません。(そういう問題か?!)

 こういう場合動じてはいけません、この時の為にと覚えたイタリア語で『あの〜私、婚約者がいるんです』嬉しかったですねえ、やっと使える日が来たんですもの。

 その男はとっても悲しそうな声で『僕達は出会うのが遅すぎたんだね』と言い残し、やっと去って行きました。最後の台詞まで見事に決められては、完敗です。全身に鳥肌と悪寒が走りましたが、これでいかに今まで私が幸運だったか、と言う事を初めて知りました。

 確かにイタリア人は男性、女性に限らず意思表示がはっきりしていて”思わせぶり”のような事はありません。
だから恋愛事もストレートじゃないでしょうか?

 但しイタリア人囲碁関係者に限って言えば全体に暗〜い人、又は真面目、オタク系が多いと思います。囲碁と言う東洋の文化に興味を持つタイプは、大なり小なり典型的なラテン系ラインから外れている、と思ってもおかしくないかも。

 そのせいか?囲碁クラブで口説かれた事は、今まで一度もないのでした。


続く。

7〜9月の間、公園のカフェに場所を移し開かれるミラノ碁クラブの様子。